酸化タングステンをドープしたエレクトロクロミック薄膜は、イオン交換法及びスピンコーティング法により製造することができる。具体的には、PEO、MoWO3ドープタングステン酸ゾルは、ゾル−ゲル技術におけるイオン交換法により製造することができる。次に、導電性ガラス(ITO/ガラス)と導電性ポリエステルフィルム(ITO/PET)のそれぞれにスピンコートしてフィルムを作製した。異なる温度で熱処理した後、有機−無機マルチドープナノ複合エレクトロクロミック薄膜を得ることができる。
詳細については、
http://www.tungsten-powder.com/japanese/tungsten-oxide.html
その中で、一部の専門家はタングステン酸ゾルの安定性に対するMoO3添加の影響を研究した。専門家は、同じ条件下で、MoO3をドープしていないタングステン酸ゾルは極めて不安定で、短時間(約30分)で凝縮が発生するため、不安定なゾルはエレクトロクロミック薄膜の製造に適していないことを発見した。一方、MoO3のドーピングはタングステン酸ゾルの安定性を大幅に高めることができる。これは、MoO3とWO3は構造的に類似点があるため、MoO3をタングステン酸にドープすると、Mo6+はW6+の一部を置換し、安定した荷電ポリタングステン酸コロイド粒子を形成することができ、これらの粒子は[MoO4]^2イオンに吸着される。コロイド粒子の安定した二層構造のため、MoO3を適度にドープすることでタングステン酸ゾルの安定性を大幅に高めることができる。しかし同時に、MoO3のドーピング量が一定レベルに達すると、タングステン酸ゾルの安定性が低下することも発見された。これは主にモリブデンの過剰ドーピングがその安定した構造を破壊したためである。